阿蘇のジオサイト紹介
4.米塚ジオサイト
新しい時代の火山群が作る地形と地質中岳火口から車で少し下りたところにある米塚は、円錐状の非常に美しい形をしており、その頂上部分が大きくくぼんでいるのが特徴です。高さ80mの小さな山ですが、れっきとした火山で、頂上のくぼみは噴火の名残です。なだらかな斜面は柔らかな草原に覆われ、若葉の緑がまぶしい新緑の季節から、冬枯れの草原まで、季節に応じて穏やかな景観を楽しむことができます。米塚周辺の景観は、火口近傍の荒々しさとは対照的に、なだらかで優美。この景色を目当てに、多くのカメラマンが訪れるのも頷けます。
米塚は、きわめて均整のとれたスコリア丘で、上米塚ではスコリア丘の断面を見ることができます。スコリアとは黒い軽石のような形状で、よく見ると小さな穴がたくさんあいています。これは噴火で飛び出したマグマが急激に空中で冷やされたことにより、中の気体が抜けていったときの形が残ったものだと考えられています。このように、米塚を形成するスコリアは、火山が噴火したときの様子を今に伝えているのです。