18.北外輪火砕流ジオサイト
巨大火砕流を知る
多くの滝をはじめ、阿蘇火砕流が作る様々な景観を見ることができるサイトです。溶結凝灰岩の構造を観察したり、火砕流の柔らかい部分を侵食して硬い部分(溶結凝灰岩)が残っている様子を観察できたり、火砕流の特徴を知ることができます。
阿蘇火砕流の堆積面(やまなみ道路)
産山村西端の小柏付近から、西隣の阿蘇市との境界付近を走る"やまなみ道路"沿線に広がる標高約800mの平坦な台地面です。この台地面は、阿蘇火砕流の堆積面に相当し、9万年前に始まった阿蘇火砕流堆積物の、一連の地形変化の初期状態を示す重要な地形です。
鍋ヶ滝
TVCMなどで有名になった滝で、通称「裏見の滝」といわれ、滝の裏側から水が落ちる様を眺めることが出来ます。滝の落下下部の裏側が奥行10数mにわたってえぐられているため、そこを人が歩くことができ、裏側から見る滝の姿はまるで水のカーテンのようです。阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩にかかる滝で、高さは約9m、幅は約25mあります。
遊水峡
筑後川の源流に位置するこの渓谷は、地下の強大な岩盤とその断層が露出し、大小いくつもの滝と豊富な湧水に恵まれた美しい峡谷です。通常の水深は数10cm程度で、夏季には絶好の親水行楽地として親子連れなどでにぎわいます。大きな岩場の上を流れる清流では、浮き輪を持った子どもたちが、自然の木々に囲まれる中、川をウォータースライダーのように滑る姿が見られます。
遊水峡は、阿蘇カルデラ北方の小河川にみられる岩盤河床で、阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩で構成されています。砂礫などの河床堆積物を欠き、全体として平滑な岩盤の河床が数100m以上の区間にわたって発達。河床や河谷壁ではユータキシチック構造を示す溶結凝灰岩の特徴を観察できるサイトです。