阿蘇のジオサイト紹介

19.小国郷温泉ジオサイト

小国郷温泉ジオサイト

火山がつくる温泉郷

 南小国から小国町にかけては、豊富な湧出量を誇る温泉群が多数存在します。これらは九重火山による熱源だと考えられています。

 なかでも最も有名なのは、南小国町の黒川温泉。標高700m、山あいの閑静な温泉地で、筑後川の支流である田の原川の峡谷に沿って、懐かしさあふれる旅館が建ち並びます。徳川時代には参勤交代の中継地として、大名や旅人たちの旅の疲れを癒したともいわれており、昔ながらの湯治場の雰囲気の残る路地を、華やかな浴衣に身を包んだ観光客たちがそぞろ歩く光景が見られます。共同浴場のほか、宿ごとに趣向を凝らした泉質の違う露天風呂を開放しており、温泉手形を利用した温泉めぐりも楽しめます。

南小国温泉郷

1961年に湯治場の温泉地としてスタートし、今では全国的に有名になった黒川温泉をはじめ、田の原温泉、小田温泉、満願寺温泉、扇温泉、白川温泉などからなる地域。

関連ジオポイント
杖立温泉

杖立温泉

阿蘇ジオパークエリアの最北部、杖立川沿いに湧出する、九重火山系の温泉。平安時代の初めの頃、旅の途中で訪れた弘法大師空海は、温泉の効能に感銘したという言い伝えも残っています。

すずめ地獄

すずめ地獄

雀の地獄は、九重火山の活動に関連した噴気地で、谷底の湿地帯の中にあります。噴気の中に有毒な硫化水素が含まれていることから、この名前が生まれたといわれています。ここには噴気に伴う温泉変質作用を受けた、白っぽい岩石が露出しています。

わいた温泉郷

わいた温泉郷

はげの湯、岳の湯、麻生釣温泉、地獄谷温泉、山川温泉などからなる温泉群で、これらは九重火山の西麓に位置しており、その影響を受けた温泉です。