阿蘇地域は世界ジオパークネットワークに加盟しています。

2014年9月カナダのストーンハンマー世界ジオパークで開催された第6回世界ジオパークユネスコ国際会議にて、阿蘇ジオパークの世界ジオパーク加盟認定が発表されました。

 地域住民や各協力団体と共に、阿蘇ジオパークが保有する貴重な地域資源を保全、教育活動や地域振興へ活用し、日本や世界の大地の成り立ち・特徴を理解できるような場所として情報発信、更なるジオパーク活動の発展に尽力して参ります。

阿蘇が世界のネットワークに貢献できる「価値」

巨大噴火とカルデラ

 巨大噴火の痕跡・カルデラは日本や世界各地で残されていますが、世界でも最大級の大きさである阿蘇は、美しいカルデラ壁など、カルデラ地形全体が見渡せる場所です。阿蘇の中はもちろん、日本各地で阿蘇のカルデラ噴火の痕跡を見ることができます。

 これだけの規模の噴火がもし現代発生したら…
周辺の地形を劇的に変え、カルデラをつくりだす「巨大噴火」のスケール感は阿蘇ジオパークで体感できます。

生きている地球を体感する中岳

 カルデラ中央部には、「火の山・阿蘇」を象徴し、いまだ火山活動を続けている中岳があります。阿蘇は7世紀初頭の中国の史書「隋書」倭国伝に火山活動が記載されており、海外の文献に初めて登場した日本の山です。 絶えず吹き出す有毒な火山ガスを監視しながら、安全な時は火口の縁に立って、中を見ることができます。世界各地から年間約100万人が体験する阿蘇の火口見学。スケール・色・匂い・響き渡る轟音は、地球の呼吸音です。

 火山活動の変化により形を変える火口内や、時に噴火する火口周辺は、噴出物やガスの影響による特別な環境が広がっています。

阿蘇火山の恵みと災害

 活火山を取り巻くカルデラの底地や、外輪山外側には人間生活の舞台となる大地が広がっています。カルデラの中に国道や鉄道が走り、約5万人が生活しています。大地に広がる日本最大の草原は、牧畜業と野焼きにより人の手で千年以上守られてきた大切な遺産です。火山活動による土壌と豊富な雨による水の恵みは大地を潤し、地域内や、隣接する熊本都市圏約100万人の人間生活の元になっています。火山の神を祀り、農耕祭事を司る阿蘇神社の歴史は2,200年以上。人が住む火山の大地は、噴火や土砂災害など、時に災害と向き合いながら生活をしてきた長い歴史を持っています。

 貴重な阿蘇の価値を、地域住民がかけがえのない資源として認識し、確実に保護しながら、地域の発展の為に生かしていく取組みとしてジオパークがあります。

 阿蘇ジオパークを世界中に広めることで、世界のネットワークの価値向上と資源を活用した地域の持続的発展に貢献します。

図6-1 阿蘇中央火口丘ジオツアーの様子(阿蘇市)
図6-1 阿蘇中央火口丘ジオツアーの様子(阿蘇市)
図6-2 北外輪渓流ジオツアーの様子(南小国町)
図6-2 北外輪渓流ジオツアーの様子(南小国町)
図6-3 南外輪原生林ジオツアーの様子(南阿蘇村)
図6-3 南外輪原生林ジオツアーの様子(南阿蘇村)